EHD and Electrostaic Propulsion Devices
電気流体力学と静電気力による推進装置
EHD推進機における推進方向の制御


2016.2.15
2022.10.17 改定
2023.08.01 改定
2023.08.02 改定


キーワード;金属の分極、電荷、静電容量、電界、大気イオン密度、弱電離プラズマ
Keyword; EHD, Electrostaic, Propulsion, Charges, Capacitance, Polarization effect in Asymmetrical Metal Structure, Plasma




図1、推進方向 基本 方式1
図が少しおかしいですね。浮上力を示す赤の矢印の方向が。



ここでは、EHD推進デバイスの横方向への推進に関する制御について述べます。

まず、図1の推進方向の1つの方法、つまり、原理的に重力?に反発するように浮上するため、これを利用する方式を示します。
この反発する方向を垂直上方向から斜めに変化させることで横方向の力を発生させます。



図2、推進方向の制御  装置上の構造      

図2に、実際の装置でどのように方向制御するかを示す。具体的には、ワイヤーを空間的にある部分だけ欠損させる、ワイヤーのある部分だけ電気導通をOFFにすることで実現させる。下の導体(キャパシタ部分)の電気的導通をOFFしても同様のことが可能となる。
こうすることでEHDデバイスを地面に対して平行な姿勢から傾けることができます。


図3、推進方向制御 方式その2

図3に推進方向制御 方式その2を示す。図2では、デバイスの上部分、通常の浮上力を発生させるEHD装置の工夫による方向制御の方法を示したが、図3では、上部分はそのままで、デバイスの下部に別途 コンデンサを複数配置させて直接的に進行方向に浮上力を発生させる方法を示します。
方向を制御するコンデンサは、全て電荷を蓄積させるタイプでも、内部が空洞の円柱タイプの推力発生器でもどちらでもかまわないません。






2023.08.01 改定

推進方向の制御に関して 実験結果

推進方向を左及び右に制御する実験を行いました。上記に示した方法で、ワイヤーを一部のみ欠損させて構成しました。
パルス電圧を印加し高度をコントロールしています。
パルスである理由は、CWの高電圧のみ印加するとずっと上昇するためです。斜め上方向に上昇してしまいます。
予想どおりきちんと左右に飛行することができることを確認しました。


図. 方向制御の実験結果  右方向への推進
 右方向への推進 動画




図. 方向制御の実験結果  右方向推進
 左方向への推進 動画



2023.08.02 改定
推進方向の制御に関して 考察

ここでは、推進器の横方向への推進制御について考察します。

まず、比較のためドローンの制御について考えます。ドローンでは、モータの回転速度を一定近くにコントロールします。上方向に関しては、センサなどの高さの情報、入力値があり、高さが一定となるように回転数を調整します。
横方向に推進させるためには、この状態で4つのモータのうち2つだけ回転速度の相対値を高くするように制御し、特定の方向に傾きながら進みます。

しかし、この考え方はEHDデバイスには通用しません。高電圧をONだけの状態では、デバイスがどんどん上昇のみするからです。
そもそも浮上の原理が異なることが原因と考えますが、ある空間に浮いているだけにできる入力電圧が存在しないようなのです。
調整しようとすると、木の葉が舞い落ちるように左右にゆれ不安定となり最終的に落下してしまいます。

推進器を真横に飛ばす際、高さを維持するため、パルス電圧の印加は必須とします。
次に、ワイヤの一部の通電をなくし、空間的にEHDデバイスの電界の空間分布を不均一とし、電界が弱くなっている方向に飛行させる。
構造を工夫し上部ワイヤの分割数数を多くすると、上から見ると2次元的に色んな方向にドローンと比べて自由に飛行できることになります。

また、横方向の速度であるが、地面に接していないので摩擦は少ないでしょう。空気との摩擦はあるが、力を長時間横方向にかけ続けれは速度はかなり大きくなるでしょう。



参考文献
T. Saiki,
“Control of Propulsion in Horizontal Direction for EHD and Electrostatic Propulsion Device”, viXra.org e-Print archive, viXra:2212.0005. https://vixra.org/abs/2403.0045. 2024 Mar. 12, 8page